会社やお店に出勤して働く場合、お給料は時給で計算されますよね。しかしながら在宅コールセンターで働く場合、お給料は必ずしも時給で計算されるわけではありません。
在宅コールセンターの場合、お給料の算出方法には「時給制」だけでなく、「従量制」もあるのです。
この記事では、従量制と時給制、それぞれのメリット・デメリットを解説しています。加えて「業務委託」と「パート・アルバイト」の違いにも触れていますので、どなたかのお仕事選びの一助になれば幸いです。
時給制と従量制の違い
時給制は皆さんご存知かと思いますが、従量制は、聞きなれないかたもいるかもしれません。ですからまずは、時給制と従量制について説明します。
時給制とは?
時給制の場合は、普通にアルバイトやパートをするときと同じく、「時給」×「労働時間」でお給料の額が決まります。
時給1,000円で5時間働いた場合、1,000円×5時間=5,000円となりますね。
在宅ワークの場合、従量制で報酬が支払われるケースが多いように感じますが、コールセンター業務ですと、時給制の仕事もけっこうありますよ。
従量制とは?
¨従量¨には、生産量や使用料に基づいて決まるとの意味があります。よって従量制とは「やったぶんだけ」報酬がもらえる労働形態のことです。
コールシェアのように、コールしてお客様と話せるごとに30円、アンケートが取れるごとに300円といった形です。
たとえば、1時間に10コールして10回ともお客様とお話でき、アンケートが1つ取れた場合。30円×10回=300円。ここにアンケート回収分の300円がプラスされ、時給に換算すると600円になります。
従量制は「やったぶんだけ」「インセンティブが取れたぶんだけ」報酬が発生しますので、仕事に不慣れな初心者のうちは、稼ぎづらいかもしれません。
現在私が所属している在宅コールセンターには、時給制と従量制のお仕事の両方があり、私はどちらも経験しました。
私が現在行っているのは受電業務なので、従量制の場合は、受けた電話の数だけ報酬が発生します。1受電の単価は、クライアントごとや条件によってさまざまです。
たとえば、1時間に1受電200円のものを3本受け、1受電80円のものを4本受けた場合。(200円×3本)+(80円×4本)=920円で、時給換算すると920円になります。
コールセンター業務における「時給制と従量制」それぞれのメリット・デメリット
先の項目で、時給制と従量制の違いはご理解いただけたかと思います。そこで次なる疑問として「時給制と従量制、どちらで働くのが良いのか?」が、浮かぶのではないでしょうか。
業務内容やその人の実力にもよりますので、一概にどちらが良いとはいえません。
しかしながら時給制と従量制、それぞれのメリット・デメリットを知ることで、どちらが自分に向いているかは見えてくると思います。
ここでは時給制と従量制、それぞれのメリット・デメリットを説明していきます。
時給制のメリット・デメリット
まずは、メリットから見ていきましょう。
時給制の1番のメリットは、お給料を安定してもらえることではないでしょうか。
仮に電話が全くかかってこず、何時間もずっと待機状態になったとしても、決められた時給でお給料は発生します。
従量制ですと、受電した件数でお給料が決まるため、全く電話がかかってこなければ、報酬は0円です。こういったリスクを避けられるのは、時給制の良いところですね。
加えて社会保険に加入できるのも、時給制の良さといえます。
時給制は雇用形態がパートやアルバイト、派遣や契約社員になることがほとんどですから、条件を満たせば社会保険に加入できます。
夫の扶養に入るから社会保険は不要と考える人もいるかと思いますが、自分で厚生年金をかけておくほうが、老後の安心感は大きいといえるでしょう。
また社会保険ですと傷病手当もありますから、万が一事故や病気などで長期間働けなくなった場合でも、給与の3分の2程度の金額は入ってきます。長い人生、何が起こるかわかりませんから、傷病手当もあるに越したことはありません。
そして誤解のないように言っておきますと、業務委託の形で働く場合でも、時給制で支払ってくれる会社もあります。
ですがここで注意してほしいのが、報酬を時給換算した金額を、あたかも時給でもらえるかのように書いてある求人です。
テレアポの求人には、上記のような時給制をよそおった従量制が潜んでいますので、注意深く内容をチェックしてください。
次に、デメリットを見てみましょう。
時給制はお給料が安定する反面、時給に見合った働きができなかった場合、契約が更新されない確率が高まります。
コールセンター業務の場合、雇う側が求めるのは、対応のスピードと正確さです。
- 1時間に5件しか対応できない人よりも、10件対応できる人。
- 商品名や住所など、入力した内容に間違いがある人よりも、お客様の情報を間違いなく入力できる人。
- 商品やサービスについて聞かれた際に、すみやかに答えられる知識を身につけている人。
- どんなお客様にも臨機応変に対応できる、柔軟さやコミュニケーション能力を身につけている人。
上記のような人が好まれ、これらのことがあまりにも出来なさ過ぎると、契約が更新されない恐れが出てきます。
やったぶんだけ報酬を払えばいい従量制とは違い、どんなに仕事ができない人にでも、時給制の場合は、決められた時給でお給料を支払わなければなりません。
そうなると必然的に、仕事のできない人への風当たりは強くなり、最悪の場合、契約を打ち切られることも。
また在宅勤務での時給制ですと、サボっていないかどうかを、Webカメラを使って監視する会社もあります。
時給を払っているのだから、その時間はきっちり働いてもらいたいとの思いから、サボりを防止する意味で、Webカメラでの監視を行うようです。
他者の視線を気にせず働けることは、在宅ワークにおける利点の1つですから、Webカメラで監視されるのは、個人的にはものすごく嫌です。サボられると困るからという、雇用主の気持ちもわかりますけどね…。
時給制の仕事だからといって、必ずしもカメラで監視されるわけではないですが、中には監視付きの仕事もありますので、そういった点も、応募時や面接時に確認しておきたいですね。
従量制のメリット・デメリット
まずは、メリットから見ていきましょう。
実際に自分がやってみて、従量制のメリットは、 マイペースで働けることだと感じます。
時給でもらっているのではなく「やったぶんだけ」報酬が発生するため、休憩を自由にはさんでも、文句を言われません。時給制の場合、休憩時間を多くとりすぎてしまうと「ちゃんと仕事してね」と、注意されるでしょう。
私は面倒なお客さんにあたったときは、気持ちを切り替えるため、その都度休憩をはさむようにしています。これが許されるのは、勤務時間に応じて給与を支払う時給制ではなく、成果に対して報酬を支払う従量制だから。
好きなタイミングで休憩をはさんでマイペースで仕事をしたい人には、従量制が向いているのではないでしょうか。
今のコールセンターで時給制のお仕事をふってもらうこともありますが、そのときはいつも以上に対応件数を気にしなければなりません。「時給で払ってるんだから1件でも多く対応してね」的な、圧をかけられるからです。
とはいえ、大した金額はもらっていないので(業務委託だからと最低賃金を守っていない)、必死になってスピードを上げることはしませんが。まあ、時給相応に働くといった感じですね。
次に、デメリットを見てみましょう。
自由に休憩をはさめる良さがある反面、「やったぶんだけ」「インセンティブが取れたぶんだけ」なので、稼ぎが安定しづらいです。
受電業務だとお客様からの電話が少なければ対応件数も少なくなり、それに比例して稼ぎも少なくなります。
テレアポ系の業務なら、完全な成果報酬型だった場合、さんざん電話をかけても、下手をすると1日の稼ぎが0円なんてことがあるかもしれません。
そして従量制のさらなるデメリットは、社会保険に加入できなかったり、有休がもらえなかったりすることです。
従量制の場合は「業務委託」の形で働くことになるため、たとえフルタイムで働いたとしても、社会保険に入れないことが多いです。法律で定められた最低賃金も適用外となるため、非常に安い賃金で働かされる恐れも。
「業務委託」も「アルバイト・パート」といった非正規雇用も、不安定な立場であることに変わりはありませんが、法律で守られているぶん、アルバイトやパートで働いたほうが、条件は整っています。
働く日数や時間といった条件を満たせば、社会保険に加入でき、有休が発生しますから、できればアルバイトやパートで雇用してもらい、時給制で働くのが望ましいかと。
私の場合は職歴がボロボロすぎて、選ぶ余地があまりなかったので、仕方なく今の会社に所属している次第です。
あと参考までに言っておきますと、業務委託だからといって、必ずしも社会保険に加入できないわけではありません。
業務委託者の報酬が事業所得で支払われている場合、社会保険の加入対象から除外されてしまいますが、給与所得で支給されている場合、労務提供の状況次第では、社会保険の加入対象となり得ます。
在宅コールセンター:従量制と時給制についてまとめ
コールセンター業務で、時給制と従量制を両方経験してみて思うこと。
安定して稼ぐことを重視するなら時給制、マイペースで働くことを重視するなら従量制だと感じます。
「コールセンター業務なんて座ってしゃべるだけの仕事だから、そんなに疲れないでしょ」と思う人もいるかもしれませんが、実際にやってみると、けっこうな疲労感がありますよ。なめたらアカンです。
私みたいにひきニートが長かった人は特に、いきなり時給制でやるのは、辛いかもしれません。多めに休憩をはさみつつマイペースでやれる従量制から始めたほうが、挫折しづらいのかなと思います。
ただ従量制ですと稼ぎが安定しませんし、社会保険や有休もないので、最終的には条件が整った時給制の会社で働くのが、望ましいとは思いますが。
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面倒なお客とも話さなければならず、コールセンター業務はなかなかにストレスのたまるお仕事ではありますが、「ありがとう」を言われることも少なくないため、嬉しい気持ちになることも。
根性無しの私ですが、まだしばらくは、なんとか続けられそうです!!
それでは今日はこのへんで。コノハでした。