しばらく前にテレアポ業務(厳密には無料掲載とアンケート獲得)を始めた私ですが、無料掲載の案内とはいえ、そう簡単にOKはもらえないものだなと、この仕事の難しさを感じています。
「ネット上であらゆる情報が調べられる時代に、突然かかってきた無名な会社からの電話に、OKを出す人なんて激レアさんだよね」
「ほしい情報があれば自分で調べて、良さそうだと思ったお店や会社に自分で問い合わせる形が今時なのでは?」
このように思い始めて、もはやテレアポは時代遅れなのではないかとの疑念が、頭をよぎり始めました。
そこでこの疑念が核心をついているのかどうかが気になり、私なりに調べてみました。時代遅れの仕事を頑張っても、将来が暗いですからね。
この記事では「テレアポが時代遅れだと言われる理由」や「テレアポの将来性」についてまとめていますので、テレアポ業務に興味のあるかたは、よかったら読んでみてください。
テレアポが時代遅れだと言われる4つの理由
テレアポが時代遅れだと感じている人は私だけではないようで、調べてみるとテレアポを時代遅れだとする理由が、いろいろと出てきました。
理由の中でも特に多かったのは以下の4つ。
- 電話営業に対して悪いイメージを持つ人が増えたから
- Webを活用した集客方法が広まってきたから
- テレワークの普及により担当者が会社にいないことも増えたから
- テレアポの成功率が低く非効率だと感じられるから
それぞれ解説していきます。
①電話営業に対して悪いイメージを持つ人が増えたから
オレオレ詐欺や強引な電話セールスが増えたせいで、電話営業に対する印象は、昔に比べて悪くなっているといえます。
ナンバーディスプレイをつける前は、誰からかわからないため、私自身もセールスの電話に出たことがありますが、セールスの電話はマナーの悪いものが多かったです。
NTTの子会社でもないのにNTTの子会社だと名乗ったり、NTTから委託されているわけでもないのに委託されていると嘘をついたりして、光コラボに誘導しようとする電話。
外壁塗装の営業で、開口一番いきなり「お宅は築何年ですか?」と尋ねてくる電話。何で見ず知らずの人に、家の築年数を教えなアカンねんと、嫌な気持ちになったものです。
この他にも、「そういった用件は必要ありませんので」と言った途端に、無言でガチャ切りなど、マナーの悪い電話が数多くありました。
こういった悪質なテレアポのせいで、電話営業に対するイメージが悪くなり、「テレアポ=迷惑電話」とのイメージが強くなっています。
また現在では電話番号で検索すると、その番号に関する情報が載ったサイトもありますから、番号を調べられて、着信拒否されることも。
こうした時代背景により、テレアポは時代遅れだと感じる人が、増えたのではないでしょうか。
②ネットの普及により情報収集が容易になったから
サイトや動画、SNSやリスティング広告など、ネット上にはさまざま情報が溢れています。
そのため欲しい商品やサービスがあれば、自分で調べて直接問い合わせたり、購入したりできます。
こういった状況下では、電話をかけてサービスを提案する必要性が、薄れてしまうのも無理はないでしょう。
③テレワークの普及により担当者が会社にいないことも増えたから
コロナ渦を機に、テレワークを導入した会社は少なくないでしょう。そのため営業の電話をかけても、担当者や決裁者が不在であるケースが増えています。
また在宅でのコールセンターを運営する会社が出始め、電話受付の代行が、安価な料金で提供されるようになりました。
電話受付の代行を利用すれば、かかってきた電話の内容を、メールやチャットで代行者から連絡してもらい、必要な要件にのみコールバックするという業務形態が可能となります。
こういったサービスの普及もあり、担当者や決裁者と直接話すハードルは、今後ますます高くなるといえるでしょう。
④テレアポの成功率が低く非効率だと感じられるから
資料請求やセミナー、Web広告などで関心を持ってもらえていた場合は、テレアポの成功率は5~10%程度といわれています。
しかしながら何の接点もない状態でアタックした場合の成功率は、0.1~2%ほどしかないのだとか。
BtoBの場合は決裁権を持っている担当者につないでもらうことすら難しく、受付や従業員に断られてしまうケースが多いようです。
実際に私も、決裁者につないでもらう難しさは、テレアポ業務を行う中で感じています。ナンバーディスプレイの普及により、BtoCの場合には、電話に出てもらうことすら難しくなっているのだとか。
さらに電話でアポが取れたとしても、その後の商談次第では契約に結び付かないこともあるため、今やテレアポは、効率の良い営業方法とはいえません。
「BtoC」とは“Business to Consumer“または“Bsiness to Customer“の略で、企業が商品やサービスを個人(一般の消費者)に提供するビジネスモデルのこと。
Twitter上にも、テレアポの成功率の低さを物語るツイートがありました。
嬉しい〜!!!
— ともみ|日本一明るい営業娘 (@tomimo811) 2022年9月15日
236件電話して5件の代表者様とのアポ頂きました✨
久々アポ率2%超えで嬉しい😭#テレアポ好きすぎる
「テレアポ大好き」と豪語する営業職のかたですら、アポ率2%を超えるのが久々だというのです。こういったツイートからも、テレアポの成功率の低さをうかがい知ることができます。
この成功率の低さが、「100件Noをくらっても1件のYesのためにひたすらかけ続けろ!」といった根性論へとつながり、古臭い・時代遅れといったイメージを持たれるのではないでしょうか。
「インバウンドとアウトバウンド」それぞれの特徴
テレアポには、大きく分けて2つの種類があります。ひとつは「インバウンド」で、もうひとつは「アウトバウンド」です。
ここでは「インバウンド」と「アウトバウンド」それぞれの特徴を説明します。
インバウンドとアウトバウンドを知っておくことは、テレアポの将来性を考えるうえで必要不可欠ですから、知らない人はチェックしてみてください。
インバウンドとは?
インバウンドとは、自社の商品やサービスに、興味を持ってくれた人や企業に対して行う営業のことです。
自社の商品やサービスに興味を持ってらう方法としては
- セミナーやイベント
- ホームページ
- TwitterやInstagramなどのSNS
- テレビやネットの広告
などが挙げられます。
セミナーやイベントを通して話を聞いてもらったり、資料を渡したりする。
テレビやネットに広告を出し、興味を持ってもらう。
TwitterやInstagram、ホームページなどを通じて情報を発信し、問い合わせのメールや電話が来るようにする。
これらの方法を用いて事前に興味を持ってもらえれば、手当たり次第に営業をかけるよりは、効率よく営業が行えます。
アウトバウンドとは?
アウトバウンドとは、何も接点がない相手に対して行う営業のことです。手当たり次第に行うテレアポや飛び込み営業が、それにあたります。
お客が説明を求めたわけでもなく、そのサービスに関心があるわけでもないのに、突然電話をかけたり営業マンが出向いたりするわけですから、当然お断りされる確率は高くなります。
それなのになぜ、未だにアウトバウンド型の営業を行う会社があるのでしょうか。
その理由はセミナーやイベント、WEbによる集客には、時間とお金がかかるからです。
たとえばセミナーをやるとした場合、セミナーをやることを事前に宣伝しておかなければ人が集まりませんから、宣伝のための費用がかかります。
展示会やイベントなどに出店する場合には、参加料や出店のための準備に、費用がかかることでしょう。
TwitterやInstagramを通じて宣伝しようと思ったら、フォロワーを増やす必要がありますが、無名な会社ですと、フォロワーを増やすのは容易ではありません。じっくりアカウントを育てなければならないため、時間がかかります。
またホームページを作成しても、有名な企業でもない限り、指名検索はあまり期待できないでしょう。
指名検索が取れないならば、自社のサービスや商品に関連するKWで上位表示される必要がありますが、競合他社が強ければ、上位表示も決して簡単ではありません。
高品質な記事を多数アップし、PVを増やし被リンクを獲得することでドメインパワーを上げ、狙ったKWで上位表示させられるように、サイトを育てる必要があります。
ドメインパワーはすぐに上がるものではありませんから、サイトを育てるには時間がかかりますし、高品質なサイトの構築や記事の作成にはお金もかかります。
こうした理由から、手っ取り早く営業をかけたい会社は、未だにアウトバンド型の営業を行っているのです。
アウトバウンド型のテレアポなら、架電リストと回線とパソコン、電話をかける人さえいれば、営業できますからね。
トークスクリプトや想定されるアウト返しなどを用意しておけば、人並みにコミュニケーションが取れる人であれば、アポ取りだけなら「数うちゃ当たる作戦」で、結果が出ることもあります。
近年では在宅で行うテレフォンアポインターの募集も多数出ていて、その場合、在宅ワーカーが自前でパソコンやネット回線を用意するケースがほとんどです。
在宅ワーカーを雇えば、広いオフィスを借りる必要もないため、少ない費用で電話営業ができるのです。
バイトやパート、または在宅ワーカーにテレアポさせ、クロージングは営業職の社員が行う業務形態は、今後もしばらく続いていくのではないでしょうか。
テレアポに将来性はあるのか?
現在テレアポ業務を生業としている人にとって何よりも気がかりなのは、テレアポという職業が、この先も必要とされ続けるかどうかではないでしょうか。
ナンバーディスプレイの普及に加え、そもそも固定電話を持たない人も増えているため、BtoCのテレアポは、近い将来厳しい状況になると、個人的には感じています。
またBtoBの場合でも、アウトバウンド型のテレアポは、今後はますますアポ率が下がる傾向にあると感じます。
テレワークや受付代行の普及により、担当者や決裁者につないでもらうためのハードルは、今後さらに高くなると予想されるからです。
テレアポ業務が完全になくなるとは思いませんが、この先長く生き残っていくのは、Web集客を併用した、インバウンド型のテレアポではないでしょうか。
魅力ある商品やサービスを持ち、Web集客によって見込み客を作れる会社でのテレアポ業務ならば、廃れる可能性は低いといえるでしょう。
これからテレアポを始めようと思っているかたは、「全く接点のない人にコールするのか、問い合わせや資料請求などのアクションを起こした人にコールするのか」を、面談の段階で確認することをお勧めします。
どんなにAIが普及しようとも、AIによる提案や説明よりも、人対人でコミュニケーションをとりながら商談を進めたいと思う人は、少なくないはずです。
長年の経験に裏打ちされた確かな営業力は、今後も必要とされ続けることでしょう。ですからテレアポを通じて営業力を磨いていくのも、悪くはない選択なのではないでしょうか。
それでは今日はこのへんで。コノハでした。