南フロリダ大学の研究により、『ストレスが溜まって体に悪い仕事場の条件7つ』という論文が発表されています。この論文は質の高い72件の論文を精査しメタ分析したもので、科学の世界では最も信憑性があるといわれているものです。
この論文は2011年4月15日に発表されたのですが、私は最近になってこの存在を知り、仕事が原因で重度の鬱と不眠に陥った私としては、この論文の内容はとても興味深いものでした。
自分の体験とも照らし合わせながら、この論文に書かれているブラック企業の条件7つを、ランキング形式でご紹介していきたいと思います。自分の勤め先がこの条件にあてはまっていないか、よかったらチェックしてみてください。
ブラック企業の特徴第7位・長時間労働
会社での拘束時間が長ければ長いほど体を壊しやすいとのことで、これはもう至極当然のことですよね。
拘束時間が長いと睡眠時間が削られますし、ストレスを解消するための時間が取れず、どんどんストレスがたまり続けます。
残業時間が月80時間を超えるとうつ病のリスクが高まると、精神科の医師から聞いたことがありますが、私がうつ病を発症した当時の拘束時間は、1日5~6時間程度でした。短時間勤務のアルバイトでしたからね。
「その程度の勤務時間でうつ病を発症するとは何事じゃ~!」とお𠮟りを受けそうですが、デリケートにできているので仕方ないですよね。と、自分で自分をフォローしておくw
ブラック企業の特徴第6位・裁量権がない
自分に裁量権が全くなく、やり方や仕事量や時間など、全てにおいて「やらされている感」があるのは、大きなストレスへと繋がります。
例えば定時よりも1時間早く出勤したとして、それが自分の意志でやりたくてやっているならいいのですが、会社からの命令で仕方なくとなると、不満な気持ちは高まります。
「自分の人生は自分でコントロールできている」という感覚は、人間が幸せを感じる上で重要な要素なので、裁量権が全くないような仕事をずっと続けていくのは、精神衛生上よろしくないわけです。
これにおいては、私にもかなり当てはまります。何しろただのアルバイトなので、裁量権なんてものは全くなく、「なんで私がこんな事やらされなきゃいけないんだろ・・・」とか思うことはしょっちゅうでした。
仕事だから仕方ないと割り切ってやっていたつもりでしたが、そういった日々の積み重ねが、許容量を超える負担を心に与えていたのかもしれません。
ブラック企業の特徴第5位・役割があいまい
会社の何を支えているのかやプロジェクトでどんな役割りを担っているのかなど、自分の役割が明確になっていないことは、大きな疲労感に繋がるそうです。
「責任感を持て!」や「もっと当事者意識を持って仕事しろ!」などという曖昧な言い方ではなく、どんなやり方をしてどう成果を出せばいいのか、具体的なタスクを指示されないまま働くことは、メンタルにかなりの負担がかかるとのこと。
『役割があいまい』という状況は、社員や働く人の疲労感と最も相関していて、役割りがあいまいであることは、疲れやすい条件としては1番にあたるのだそうです。
私はコレ、けっこう意外でした。私はとにかく平和に穏やかに淡々と仕事ができさえすれば、どんな役割りを担っているかなんて気にしないタイプなので。
ブラック企業の特徴第4位・作業負荷が高い
作業負荷が高いというのは、長時労働という意味ではなく、1時間あたりの作業量が多いという意味です。
例えば同じ商品を作るにしても、1時間に10台組み立てるのと、20台組み立てるのとでは、後者の方が明らかに大変ですよね。
労働時間が長いわけではなくとも、焦らされていたり、時間が足りないと感じていたりするのは、大きな疲労感や強いストレスへと繋がっていきます。
これに関しては、私がいた職場はもろにこんな感じでした。常に時間に追われながらやっていましたからね。
1時間にやるべき作業量が決められているので、そのノルマをクリアするため、常に時間に追われながら仕事をしていた感じです。
暇な時期でさえもせかすように仕事をさせて、早く終わらせ時短で帰らせるという、徹底した合理主義。このような環境下ですと働いている人はイライラしやすいので、イライラを発散するため大人しい人にあたり、職場イジメが多発していました。
常に時間に追われながら働くような会社は、職場環境が悪くなりがちであると、私は身をもって経験しました。
ブラック企業の特徴第3位・ネガティブコミュニケーション
ネガティブコミュニケーションとは、同僚や上司に嫌味を言われたりイジメられたりして、円滑なコミュニケーションが取れないことを指します。
いわゆるパワハラやモラハラなんかも、これに当てはまるといえるでしょう。
例えば「ここ間違ってるから直して!」と注意されるにしても、言い方ひとつで受け取るほうの印象はだいぶ変わりますよね。穏やかに言われるのと大声で乱暴に言われるのとでは、雲泥の差があります。
普段から円滑にコミュニケーションがとれていないと、報告・連絡・相談といった、いわゆるホウレンソウをするだけでも過度の緊張にさらされるため、非常に健康に悪いです。
ネガティブコミュニケーションは不眠との相関が強いとされていて、ネガティブなコミュニケーションが増えると、眠れぬ夜が増えていきます。
私もまさにコレでやられたくちでして、無視されたり必要以上にキツイ言い方をされたりして、眠れぬ日々を過ごしました。
仕事は頑張ればどうにかできる部分ではありましたが、ネガティブコミュニケーションは自分が頑張ってどうにかできることではないため、ひらすら耐えるしかなく非常に辛かったです。
私の場合は仕事自体が嫌で辞めたという経験はあまりなく、人間関係が辛くて辞めるケースがほとんどでしたので、ネガティブコミュニケーションが第3位とは意外でした。これが1位だと思っていたのですが。
ブラック企業の特徴第2位・役割の衝突
リーダー的な人が何人もいるような職場ですと、Aさんには入力作業を頼まれたけど、Bさんには在庫確認を頼まれたといった具合に、指示に矛盾が生じる場合があります。
これを役割の衝突(コンフリクト)といいます。指令系統がしっかりしていないブラックな会社は、このような事態が起きやすいです。
指示に一貫性がないと今この仕事をやっていていいのか不安になりますし、他の仕事をやっている最中に「さっき頼んだ仕事なんでやってないの?」と言われてヒヤっとすることもあります。
やっていない理由をいちいち説明するのは面倒ですし、私みたいにチキンな性格ですと、「なんでやってないの?」の言い方がキツイだけで胃が痛くなるので、指示に一貫性がない職場は働きづらくて嫌ですね。
矛盾する指示が飛び交う職場は、働きづらくて胃が痛くなるということで、これは納得の第2位でした。
ブラック企業の特徴第1位・仕事の制限が多い
こうすれば上手くいくとわかっているのに、いろいろな制限のせいでできない状況だったり、やりたい仕事があるのに違う仕事を任されてしまったりという状況は、心と体にとても負担を与えるようです。
例えば成功させるための方法はわかっているのに、人員や予算が手に入らないせいで、思うように仕事が進まない。表に出て営業をかけたりプレゼンしたりしたいのに、資料作りや電話対応など、内勤ばかりやらされてしまう。
このように何かしらの制限のせいで、自分のやりたいようにやらせてもらえず、思うように結果が出せない状況を、辛いと感じる人は多いようです。
「こうすれば成果が出るのに何でもっと自由にやらせてくれないんだー!」という感覚は、疲労感と消化器官との相関が強いため、体を壊しやすい1番の要因になるとのこと。
私は派遣やアルバイトでばかりで働いていたので、自由に仕事をさせてもらえるという環境ではなく、制限がある中で働くのが当たり前だったため、これに関しては正直あまりピンときていません。
ですが能力がある人からすれば、「こうやればもっと効率がいいのに! もっと成果が出るのに!」とモヤモヤしてしまうのは、とても辛いことなのでしょうね。
辞めたいけど辞められない人へ
「この会社ブラックだなぁ~」と思っていても、次の仕事が見つかるか不安だったり、次の会社がもっとブラックだったらどうしようと心配な気持ちがあったりで、なかなか辞める決心ができない人も多いですよね。
仕事をしないと食べていけないので、我慢して続けることも必要ですけど、我慢しすぎて体を壊しては元も子もないので、心と体が限界を迎えそうだと感じたならば、辞める決断も時には必要なのではないでしょうか。うつ病も不眠症も、ほんっとに辛いですから。
お給料も大事だけど体も大事!!
自分の心と体、しっかりと労わってあげましょう!!
最後にひとつ映画の紹介をさせてください。
この映画の主人公は、高校中退の元ニート。母親の死をきっかけに「このままではダメだ」と一念発起し、基本情報技術者の資格を取得して、小さなIT企業に就職します。
しかし就職した会社は、曲者ぞろいのブラック企業。怒鳴られ理不尽な仕事を押し付けられ、辛い日々が続きます。
それでも辞めることなくせっかく就職できた会社に、必死に食い下がろうとする主人公の姿には、何度となく励まされ、涙しました。
実話を元にした笑って泣ける物語になっていますので、仕事が辛くて落ち込んでいるときに見ると、元気やヤル気がもらえるのではないかと思います。よかったらご覧になってみてください。
それでは今日はこのへんで。コノハでした。