多くのかたがご存知のように、国民年金の受給額はとても少ないです。40年間払い続けて満額で受給したとしても、もらえる金額は1ヵ月で約6万5000円です。
この金額で暮らしていくのは厳しいため「国民年金基金」なるものがあるのですが、「国民年金基金は掛け金が高くて無理!」と感じるかたも多いのではないでしょうか。
そのようなかたのために、国民年金には「付加年金」がかけられるようになっています。付加年金は国民年金の定額保険料に、1ヵ月400円をプラスするだけで年金額を増やせるお得な制度です。
私は10年くらい前からこの制度のことは知っていたのですが、当時は普通に働いて社保に入りたいと思っていたので、手続きに行くことはしませんでした。しかしながら最近では外へ働きに行くのはほぼ諦めたので、付加年金に加入することにしたのです。
私は役所の人に対してあまり良いイメージがなく、手続きに行くのが嫌で先延ばしになっていましたが、先日やっと重い腰を上げて行ってきましたので、手続きに関する情報をまとめていきます。
国民年金基金や付加年金に関心のあるかたは、よかったら参考にしてください。
国民年金基金の掛け金は高い
国民年金の年金受給額を上げる方法として「国民年金基金」があります。国民年金基金の掛け金は「加入時の年齢・加入する口数・選択した給付の型」によって異なり、数千円から数万円です。
20代のかたなら1口目8千円代から入れますが、私くらいの年齢になると(40代半ば)、1口目が1万5,000円程度からになります。
国民年金の保険料は毎年変わりますが、ここ数年の相場としては1ヵ月1万6,000円ほどです。この定額保険料に国民年金基金の料金がプラスされるので、私がもし国民年金基金に加入すると、1ヵ月の支払い額は3万円を超えます。
チャットレディやWebライターやブログなど、不安定な仕事で収入を得ている私にとっては、国民年金の支払いがひと月3万円を超えるのは厳しいです。この先もっと稼げるようになっているかもしれませんが、ぜんぜん稼げていない可能性もありますのでね。
このような状況下で国民年金基金に入るのは躊躇したため、安価な掛け金で加入できる付加年金を選びました。
国民年金基金の掛け金を調べられるページへのリンクを貼っておきますので、気になるかたはチェックしてみてください。
「付加年金」の詳細を解説
国民年基金ほど年金受給額が増えるわけではありませんが、わずかな掛け金で受給額を増やせる「付加年金」という制度があります。ここでは付加年金がどういったものなのかを説明していきます。
付加年金とは?
「付加年金」とは、国民年金第一号被保険者ならびに任意加入被保険者が、定額保険料に付加保険料を上乗せして納めることで、将来貰える年金額を増やせる制度のことです。付加年金の保険料は月額400円となっています。
令和3年度の国民年金の定額保険料は1万6,610円なので、これに400円をプラスした1万7,010円を支払えば、付加年金に加入できます。
付加年金のもらえる金額は?
付加年金のもらえる金額の算出方法は「200円×付加保険料を納付した月数」です。
納付した月数が多ければ多いほどもらえる金額が増えるので、なるべく若いうちに入っておくことを推奨します。
国民年金の納付期間は20歳から60歳までの40年間です。例えば20歳から付加年金に加入した場合、付加保険料を納付した月数は「12カ月×40年」で480カ月となります。よってこの場合にもらえる金額は「200円×480」で、9万6,000円となります。
私の場合はもう40半ばなので、今からだともらえる金額は3万5,000円ほどですが、それでもないよりはマシだと思い加入しました。
付加年金は2年以上年金を受け取れば支払った金額が回収でき、3年目以降はプラスに転じるため、かけ損になる可能性は低いといえるでしょう。
付加年金の手続きに必要なもの
付加年金の手続きは、お住まいの地域の市役所や区役所でできます。手続きに必要なものは、年金手帳と免許証などの身分証明書です。
もしかしたら自治体によって手続きに必要なものに違いがあるかもしれませんので、手続きに行かれる前に、お住まいの地域の役所に電話をかけ、確認すると確実です。私も電話で確認してから役所へ出向きました。
付加年金について抑えておきたい重要なポイント
●保険料の納付は手続きをした月から開始されます。私の場合は7月に手続きに行ったので、今月から保険料を納付することになります。国民年金をどのような形で支払っているのかを聞かれたので「振込用紙で銀行から令和4年3月分までを既に支払い済みです」と答えると、「では付加年金もまとめて払える振込用紙を送付します」と言われました。
来年からは自動更新となり、国民年金の定額保険料に、付加年金の400円が加算された振込用紙が送られてくるそうです。
●付加保険料の納付期限は翌月末日となっていますが、納付期限を過ぎてしまっても、期限から2年間は付加保険料を納められます。
また国民年金は60歳から65歳の間に、これまでの未納分を納められるようになっているので、国民年金の未納があるかたは、付加年金の手続きをしてから未納分を納めることで、過去の分の付加年金保険料を納められます。
●付加年金を辞めたい場合は再度役所へ出向き、手続きをする必要があります。1年分をまとめて支払った場合でも、厚生年金に加入した場合には、厚生年金加入月以降の支払い分は戻ってくるそうです。
●国民年金基金に加入しているかたは、付加年金には加入できません。また結婚して夫の扶養に入っているかたも加入できません。
付加年金の手続きの流れ
ここでは私が実際に手続きに行った際の、手続きの流れをご紹介します。
役所の窓口で「付加年金の申し込みをしたいのですが」と伝えると、すぐに対応してくれました。申し込み用紙を渡され、そこに基礎年金番号・申し込みの日付・住所と電話番号・名前と生年月日を記入しました。
記入が終わるとしばらく待たされ、担当の人が来るのを待ちます。5分ほど待って担当者が来ると「付加年金お支払用の振込用紙が1週間から10日ほどで届きますので、今月中にお支払いをお願いします」と言われました。
まとめて支払った場合、自己都合で辞める場合は返金がされない可能性があること、厚生年金に加入した場合は返金がされることなど、細かな注意点を聞いて、手続き終了となりました。
手続きにかかった時間は10分程度だったと思います。職業や既婚か未婚かなど、プライベートなことを聞かれたら嫌だなと思っていたのですが、そういったことは全く聞かれず、思っていたよりもぜんぜん簡単な手続きでした。
こんなに簡単ならもっと早くに申し込めばよかったです。知らない人と話すことに苦手意識や面倒くささがあり、ずっとやらずにいたことを激しく後悔しました。
付加年金の詳細が書かれたページへのリンクを貼っておきますので、気になるかたはチェックしてください。
「国民年金・付加年金」できることなら納めよう!
「国民年金なんて納めたところでもらえる金額は生活保護の半分以下だし、納める意味なくない? 生活保護うけたほうがいいよね?」的な考えから、保険料を納めていない人が多数いますが、納めるお金があるのなら、やはり納めるべきです。
年金制度は助け合いなので、ただでさえ少ない現役世代が納めるのを拒否したら、年金制度が成り立たなくなってしまいます。加えて未納の人が増えれば、それを補填するため保険料が増額され、真面目に納めている人への負担が増えるでしょう。
そして今後はますます財源が苦しくなることが予想されるため、生活保護の水際作戦が強化されたり、保護費の引き下げが行われたりする可能性は十分あり得ます。
次いで国民年金の未納で怖いのは、障害年金がもらえない可能性が出てくることです。障害があると思うように働けなくなるため、そんなときに障害年金の存在は、大きな助けとなるでしょう。
筋金入の引きニートだった私が言うのもなんですが、上記のような理由から、国民年金はできる限り納めたほうが良いです。
そしてどうせ納めるなら月に400円プラスして、付加年金にも加入したほうがよいかと。掛け金のわりにはもらえる金額が多いので、なかなかお得感があります。私はさっさと手続きに行かなかったことを、猛烈に後悔しています。
国民年金基金を支払うほどの余裕はないけれど、少しは老後に備えておきたいかたは、付加年金を検討してみてはいかがでしょうか。
それでは今日はこのへんで。コノハでした。